8月の帰省は、久しぶりに親やきょうだいと顔を合わせる大切な機会であると同時に、実家が空き家になりつつないかを冷静に確認できる貴重なタイミングでもあります。
特に、長期間人が住んでいない実家は、建物の劣化や防犯面の不安、庭木やゴミ放置による近隣トラブルなど、思っている以上に多くのリスクを抱えがちです。
その一方で、どこから手をつければよいのか分からず、実家じまいの話題を家族に切り出せないまま時間だけが過ぎている方も少なくありません。
そこでこの記事では、8月の帰省をきっかけに、実家の空き家状態を効率よく確認するポイントと、今後の話し合いを進めるための基本的な考え方を分かりやすく解説します。
今年こそ、実家と向き合う一歩を踏み出したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
8月の帰省は実家の空き家状態を確認する好機
総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査では、全国の空き家率は13.8%とされています。
また、国土交通省の空き家対策特設サイトでも、空き家は適切に管理しなければ劣化や防犯面で周囲に影響を及ぼすおそれがあると示されています。
お盆の時期など8月は、多くの方が実家へ帰省しやすい時期ですので、集中的に室内外の状態を確認し、劣化や異常の早期発見につなげやすい機会です。
このように、帰省と点検を組み合わせることで、実家の空き家化によるリスクを軽減しやすくなります。
空き家の放置は、建物や庭木の傷みが進むだけでなく、倒壊やごみの放置などにより近隣へ危険や悪臭を及ぼす可能性があると指摘されています。
さらに、人目の少ない建物は不法侵入や不法投棄の対象になりやすく、防犯面でも注意が必要です。
こうした状態が続くと、景観の悪化や害虫の発生などを通じて地域全体の住環境にも影響が広がるおそれがあります。
長期間不在となる実家ほど、小さな不具合が大きなトラブルに発展しやすいため、8月の帰省時にこまめに状態を確かめることが重要です。
実家の空き家化や実家じまいを検討している方にとって、8月の帰省前には心構えを整えておくことが大切です。
まず、建物の状態を客観的に確認し、「今後も維持管理を続けられるか」「早めに方向性を決めるべきか」といった視点を意識しておくと判断しやすくなります。
また、家族と実家の将来について話し合うきっかけにするつもりで帰省すれば、単なる一時帰省ではなく、今後の管理や実家じまいの進め方を考える時間として有効に使えます。
このような意識を持っておくことで、現地での確認内容や家族との対話がより具体的になり、空き家問題への不安を減らしやすくなります。
| 確認の観点 | 8月帰省時の目的 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 建物や庭の劣化状況 | 傷みの早期発見と記録 | 修繕費用の増大を抑制 |
| 防犯・安全上の問題 | 侵入痕跡や危険箇所確認 | 事故や犯罪リスクの低減 |
| 家族の意向や将来像 | 実家の扱いについて対話 | 実家じまい方針の整理 |
帰省中に確認したい空き家・実家のチェックポイント
まずは屋根や外壁、雨どいなど外回りの安全性を帰省時に確認することが大切です。
ひび割れやはがれ、雨どいの詰まりを放置すると、雨漏りや外壁材の落下につながりかねません。
あわせて庭木や雑草の伸び具合、塀や門扉のぐらつき、郵便受けの広告や郵便物のたまり具合も見ておきます。
国土交通省の資料でも、屋根・外壁・雨どい・庭木・塀・郵便物など外観全体の目視確認が、空き家の適正管理の基本とされています。
次に、室内に入ったらカビや雨漏りの跡、結露によるしみがないかを一つずつ確認します。
特に押入れや床下近く、水回り周辺は湿気がこもりやすく、木部の腐朽やカビが進行しやすい場所です。
水道・ガス・電気といったライフラインや給湯器、換気扇など設備が正常に動くかも動作確認しておきます。
家財道具についても、カビや虫害の有無を見ながら、今後の整理や処分の優先度を考えるきっかけにするとよいです。
空き家状態の実家を安全に維持するためには、帰省時だけでなく定期的な点検と記録の積み重ねが重要です。
国土交通省は、建物の適切な保全には計画的な点検と点検記録・修繕履歴の作成が有効であるとし、点検内容を蓄積した住宅履歴情報の活用を促しています。
遠方で頻繁に通えない場合でも、年に数回は家族が順番に訪れて点検し、日付と気付いた点、撮影した写真を一覧にまとめておくと、劣化の変化が分かりやすくなります。
こうした記録は、将来の修繕計画や実家じまいの判断材料としても役立ちます。
| 確認場所 | 主なチェック項目 | 記録のポイント |
|---|---|---|
| 外回り全体 | 屋根外壁の損傷状況 | 破損箇所を写真保存 |
| 庭木・敷地 | 雑草繁茂や越境枝 | 伸び具合と害の有無 |
| 室内・設備 | カビ雨漏り設備不良 | 発生日と対応内容 |
実家が空き家になりそうなときの家族との話し合い方
実家が空き家になりそうな場合でも、親世代には長年の思い出があり、「実家じまい」の話題は切り出しにくいものです。
そのため、まずはお盆などで顔を合わせた際に、親の体調や暮らしぶりへのねぎらいを伝えたうえで、「これから先が心配なので、一緒に考えたい」という姿勢を示すことが大切です。
また、急に結論を迫るのではなく、「今は考え始めるきっかけにしよう」と時間を区切って提案すると、親も気持ちの整理がしやすくなります。
このように、感情に配慮しながら段階的に話題を広げていくことが、家族の信頼関係を保つうえで有効です。
次に、「誰が住むのか」「誰が管理するのか」「維持費をどう負担するのか」を整理しておくことが重要です。
遠方に住むきょうだいが多い場合は、定期的な見回りができる人と、費用負担を主に担える人が必ずしも一致しないことがあります。
そのため、役割分担と費用分担を分けて考え、無理のない範囲で協力できる形を家族全員で確認しておくと、後々の不満や誤解を減らせます。
あわせて、管理が難しい場合には、専門業者への管理委託なども選択肢として検討しておくと、将来の判断材料が増えます。
さらに、相続や名義、固定資産税など、お金と手続きの面も早めに確認しておく必要があります。
令和6年4月からは、不動産を相続したことを知ってから3年以内の相続登記申請が義務化され、正当な理由がない場合は10万円以下の過料対象となることが示されています。
また、管理不全の空き家が「特定空家」等に認定され勧告を受けると、通常は軽減される住宅用地の固定資産税特例が適用除外となる仕組みが設けられています。
こうした制度を家族で共有し、誰が相続登記を行うか、名義をどうするか、固定資産税の負担方法をどうするかを、帰省の場などで少しずつ話し合っておくことが、将来のトラブル防止につながります。
| 話し合いのテーマ | 家族で決めたい内容 | 確認しておきたい制度 |
|---|---|---|
| 実家じまいの方針 | 住み続けるか処分か | 空き家対策特別措置法の概要 |
| 管理と費用負担 | 見回り担当と負担割合 | 固定資産税の住宅用地特例 |
| 相続と名義 | 登記名義人と手続き担当 | 相続登記の申請義務化 |
空き家化を防ぐ・実家じまいを進めるための基本ステップ
空き家状態の実家を放置すると、建物や設備の劣化が進み、最終的には大きな修繕費や解体費につながりやすくなります。
総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査では、全国の空き家率が13.8%と増加傾向にあり、早期の対応の重要性が示されています。
そのため、帰省などで実家に立ち寄った段階から、登記情報や契約書類の所在を確認し、相続関係や固定資産税の負担者を家族で明確にしておくことが大切です。
あわせて、不要な家財は段階的に整理を進め、処分方針を家族で共有しておくと、将来の実家じまいが格段に進めやすくなります。
次の段階では、実家の将来像を複数の選択肢として整理し、それぞれの費用とリスクを比較検討することが重要です。
国土交通省の空き家対策特設サイトでも、住み続ける、解体する、売却する、賃貸に出すなどの選択肢を家族で早めに話し合うことの必要性が示されています。
例えば、住み続ける場合は耐震性やバリアフリー化に必要な費用、賃貸に出す場合はリフォーム費用や管理負担、売却の場合は周辺環境や市場動向など、検討すべき点が変わります。
こうした観点を整理しながら、家族全員が無理なく関われる現実的な方向性を選ぶことが、空き家化を防ぐための基礎になります。
さらに、地域の空き家対策制度や相談窓口を上手に活用することで、実家じまいの負担を軽減できます。
国土交通省は「空き家対策特設サイト」で、各自治体の空き家相談窓口や空き家バンク、解体や改修への補助制度などへの案内を行っており、自治体によっては無料相談会や専門家派遣事業も実施されています。
具体的には、「空き家」「相談窓口」「補助金」などの語句と実家所在地の自治体名を組み合わせて検索すると、公的な支援情報にたどり着きやすくなります。
こうした公的支援の概要を事前に調べたうえで、家族会議の場で共有し、制度の利用可能性を踏まえて実家の今後を検討していくことが望ましい進め方です。
| 段階 | 主な作業内容 | 意識したいポイント |
|---|---|---|
| 初期対応 | 登記確認・書類整理・家財の仕分け | 相続関係と所有者の明確化 |
| 方向性検討 | 住む・貸す・売る・解体の比較検討 | 費用と管理負担のバランス |
| 制度活用 | 自治体窓口への相談・補助制度の確認 | 公的支援を前提にした計画作成 |
まとめ
8月の帰省は、実家の空き家状態を落ち着いて確認できる絶好の機会です。
屋根や外壁、室内のカビや設備の傷みをチェックし、写真やメモで記録しておくことで、劣化や防犯リスクを早めに把握できます。
あわせて、親世代と「今後誰が住むか」「管理や維持費をどうするか」を話し合うことで、実家じまいの方向性も整理しやすくなります。
当社では、空き家の状態確認や実家じまいの進め方について、状況に合わせた具体的なアドバイスをご提案しています。
「何から始めればよいか分からない」という段階でも大丈夫ですので、まずはお気軽にご相談ください。












