住宅などの所有者に毎年課税される固定資産税。
売却しても新しい所有者に課税されるのは翌年になるため、売主に課されたその年の納税義務は変更できません。
ここでは、売主が所有していない期間の固定資産税をどのように取扱うのか、また固定資産税の計算方法や支払い時期などについて解説します。
不動産の売却と固定資産税①そもそも固定資産とは?
固定資産とは、田・畑・山林・牧場などの土地や、住宅・店舗・工場・倉庫などの建物が該当します。
これらの固定資産に対して課せられるのが固定資産税で、毎年1月1日時点の登記簿上の所有者に課税されます。
しかし、不動産を売却した場合、その年の固定資産税の扱いが変わります。
たとえば1月2日に売却したとしても、固定資産税の納税義務は売主にあり、4~6月頃納付書が売主あてに送付されます。
すでに売却した物件の固定資産税を1年分負担するのは不合理なことであるため、一般的に、売主と買主との話し合いで負担割合を決めます。
引渡日を基準に日割り計算した金額を事前に買主からもらっておき、売主が納税します。
これを固定資産税の「清算」といいますが、法律上の規定ではないため、状況によっては取り決めをせず、不動産価額に含んでの金銭授受をおこなってもいいでしょう。
売買契約の翌年1月1日には正式に買主が納税義務者となります。
不動産の売却と固定資産税②いくらになる?概算で求める際の計算方法
固定資産税を算出するには「固定資産税評価額」という基準を用います。
固定資産税評価額とは、土地や家屋などをどう評価するかを定めた「固定資産評価基準」に基づいて、各自治体の担当者が決めている評価額のこと。
「固定資産税評価額×1.4%」が税額となり、土地と家屋のそれぞれで計算されます。
概算で固定資産税を出すなら、"土地は時価の70%程度、家屋は新築取得時の50~60%程度"と考えればいいでしょう。
ただし、経年劣化などの考慮が必要なため、建物の評価額は状況によって異なります。
あくまで概算と考え、詳細な金額は固定資産税の納付通知書で確認しましょう。
不動産の売却と固定資産税③固定資産税を支払うのはいつ?
固定資産税は地方税になるため、納付スケジュールは市町村ごとに異なります。
1年を4回の期に分けて、それぞれに納付期限が設定されており、一般的なスケジュールは以下のようになっています。
●4月~6月:郵送による振込用紙と納税通知書の到着
●6月:第一期分の納付
●9月:第二期分の納付
●12月:第三期分の納付
●翌年2月:第四期分の納付
納税通知書に払込書が入っており、期ごとに分割払いまたは第一期の納付期限までに全期分をまとめて一括払いすることもできます。
まとめ
不動産売却にかかる固定資産税の取り扱いについて解説しました。
売主と買主で固定資産税の「清算」をおこなう際、手続きが複雑で負担に思う場合は不動産会社に依頼してもいいでしょう。
その際の費用が別途かかることもなく、スムーズな不動産取引ができます。
なお、不動産売却によって利益が出た場合と同様、固定資産税の清算金によって利益が出た場合、売却した翌年の3月15日までに確定申告が必要です。
「税金の一部を回収しただけ」でも、所得の対象外になるわけではないので注意しましょう。
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