誰も住まなくなって何十年も経つ家には、とくに木造住宅の場合、経済価値はほとんどありません。
相続などで古家付きの不動産を所有しており、自身で住むつもりがないなら、一刻も早く売却したいものです。
そこで今回は、古家付き不動産を売却するメリットとデメリットをご紹介します。
古家付き不動産を売却するメリットとは?
古家付き不動産を売却する最大のメリットは、解体しなくて良いことでしょう。
解体には当然費用がかかりますし、業者の手配やスケジュールなどの面倒な段取りも必要です。
それらを一切おこなわずに売却できるのは、売主にとって大きなメリットと言えます。
また解体に費用がかからないので、売却価格も安く設定が可能です。
ほかにも、固定資産税を節約できることなどもメリットとして挙げられます。
古家が残っていると、固定資産税は住宅用地の軽減措置特例が適用されます。
古家を解体し更地にしてしまうと、この特例措置を受けられません。
そのため古家付きの不動産は、たとえしばらく買い手がつかなくても、更地よりも固定資産税がかからないので、焦らずに買い手を探せます。
古家付き不動産を売却するデメリットとは?
古家付き不動産を売却するデメリットのひとつは買い手がつきにくいことです。
マイホームを探している方は、家付きの不動産を探しますし、土地を探している方は更地を重点に探します。
家付きの不動産を探している方のほとんどが、新築か築浅の戸建てを希望しており、古家付きの想定がありません。
また買い手が見つかったとしても、古家の解体費用が買主の負担となるため、価格の値引きを持ちかけられる可能性が高く、売却価格が相場より安くなる覚悟が必要でしょう。
一方で、古家をリノベーションしそのまま利用することを希望する買主もいます。
古民家を購入し、趣味のDIYをしながら住みたいという方にとって、古家付きの不動産はもってこいの物件と言えるでしょう。
ただし売却時の注意点として、戸建ての売却時と同様、建物の欠陥・劣化・設備の故障などの情報をすべて調査し、買主側に知らせなければなりません。
もし知らせていない内容で、買主に損害を与えた場合、契約不適合責任が適用され、賠償や契約不履行を持ちかけられる可能性もあります。