日本には、住宅などの建物を建てる際に隣の住民の住まいの日当たりを悪くしないための「日影規制」という決まりが設けられています。
不動産を購入する人にも無関係ではない日影規制とは、どのような決まりなのでしょうか。
日影規制とは?不動産購入でも押さえておくべき日影規制の内容
日影規制とは、隣近所の建物に長時間にわたって日影を作らないようにすることを目的とした決まりです。
日影規制の測定内容は地区ごとに異なり、全国一律で同じというわけではありません。
測定するのは、日影になる時間がいちばん多い時期である冬至の日とされています。
太陽が真南に来る時間を基本の午後12時とし、午前8時から午後4時までの時間帯に、建物がどれぐらい日影を作るかを測定します。
このとき、日影になる場所は地面ではなく、建物の中に陽の光が入るか入らないかということを測るために1階か2階の窓の高さを想定します。
日影規制は「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」などのように、用途地域ごとに規制される建物の高さや日影を作る時間が決められています。
不動産を購入するなら気を付けたい日影規制の注意点
家や土地などの不動産を購入する場合は、日影規制の内容をよく理解し、気をつけるポイントを頭に入れておくことが大切です。
日影規制は日影を作る時間を制限する決まりなので、日当たりがいいということを保証されているわけではありません。
近くに高い建物がある場合は、昼間の時間帯でどれぐらいの時間にわたって日影ができてしまうのかをイメージしないと、1日中日差しが入ってこないということにもなりかねません。
また、土地を買ってこれから住宅を建築するという場合には、日影規制が適用されない用途地域を探すこともポイントになります。
もしも日影規制によって建築に制限がかかってしまうと、思い通りのデザインや高さの家を建てられなくなる可能性もあります。
地域によって異なる日影規制については、各自治体の公式サイトなどに詳しい規制内容について記載があるので、自分が購入する土地や建物がある地域のホームページなどを参考にしてみてください。